去年、8月15日に亡くなられた松林宗恵監督 (『連合艦隊』や『社長シリーズ』で有名) とご縁があり、よくお話をさせていただいていました。
数年前のことですが、監督からとても心に響く言葉をいただきました。
『十億の人に十億の母あれど 我が母にまさる母あらめやも』
松林監督が歌われたものではないのですが、ご自身がかつて大変感銘を受けたお言葉を私に教えてくださり、当時の私の心にも刺さるような衝撃を与えました。
私と母は本当に仲が良く、どこに行くにも一緒でしたし、心から信頼し、味方でいられる唯一の存在、病に伏したときもずっと一緒にいた母。
この歌は言い表せなかった私の心を美しい言葉で表す素晴らしい歌でした。
母が、2008年6月22日に他界しました時、思い出すのはこの言葉。
心に響くこの言葉をどうにか残したく、母のお墓に刻むことにいたしました。
生まれてくること、生きること、亡くなる、ということ。命の大切さを身をもって教えてくれた母に感謝して…。
教えてくださった松林監督の直筆で。監督はすぐに快く引き受けて、書をかいてくださり、母のお墓ができました。
大好きなバラの花と一緒に…。
月に2回くらいでしょうか、私はお墓参りに行っています。
いつもバラを添えて。
いつものようにお参りをしていたらある素敵なご婦人が話しかけてくれたのです。
ちょうど母くらいの年齢の方かしら。
「バラが好きな方だったのですか?」と。
「はい。」と私。
「素敵なお墓ですね。」
なんだか何かを言いたそう…。
そうしたらこのお方、この母の墓碑に胸を熱くしブログを始められた、とのこと。
しかも月命日にあたる2008年11月22日に。
ウォーキングをしながら、毎日見てくださっていたようです。
「ずっとお会いしたくて、お礼が言いたくて…やっと出会えました。」
と私におっしゃったのです。
本当に驚きました。
見て、感じてくれている人がいて、この墓碑が人に何か始めるきっかけを与えたなんて…。
実のところ、この墓碑にするにあたり、私の父は反対をしていました。
母が私にくれた縁なのでしょうか。御婦人に感謝の言葉を述べられたとき、「あぁ、この墓碑にしてよかった。」と思いました。きっと、母も喜んでいてくれていることと思います。
素晴らしい言葉をくれ、やさしさ溢れるご婦人を前にし、涙が止まりませんでした。
ママ、いつも見守ってくれてありがとう。